全く何の経験もなく、人命に関わる仕事に就いてくれ!と言われたら、大変ですよね。
しかもそれが、24時間勤務で、休憩なし、有給なし、報酬なし、同僚もなし。上司なし。ただし無責任な評価あり。という求人があったら、申し込みます?
育児ってまさにこれなんでけどね。
経験もないのに、人命に関わるプロになれ!って。。。なれるかい!
赤ちゃんに触るのなんて、自分の子供が初めてだっちゅうの。
そんなこと、誰も教えてくれなかったじゃん!
てなもんです。
じゃあ勉強だ!と本屋さんにでも行けば、母乳で密着という立場もあれば、いいや「孤育て」を助長するから子供を引き離せという逆の立場があり、知的教育は早く!という立場もあれば、知的教育は不要!とか、余計混乱して不安になったりして、オロオロするってもんです。
そんな様々な意見がある中で大切なのは、どれだけ自分が「腑に落ちるか」ということだと思います。
で、僕自身は、やっぱり自然療法的な視点というか、マザーズオフィス的な視点が腑に落ちるなあと思うのです。
それは10年近く携わってきた環境があったからこそなのですが。自分に軸ができたというのでしょうか。助かったなあと思うのです。
現代の妊産婦をとりまく環境は、医療としての「リスク管理」の役割か、心理学の視点が主流です。でも、もっと日常の具体的な健康観と技術を得られる場、そして「身体づくり」ができる場が求められてくるのではないかと思います。
それができるのは医療機関でも心理学者でも自治体でもなく、「自然療法家」という立場に可能性はないでしょうか?
例えば身体を緩めるために触れてもらう場として、また、育児に役立つハーブや植物油などの植物療法での手当てを知る場として、また、タッチやトリートメントの技術を得る場として、そして母乳育児のための食事や健康観を育む場をして、自然療法家の元を訪れるという役割の可能性はどうでしょう?
自然療法家の元で過ごす時間は、全て「心地よい」とか「気持良い」とか「受け止めてもらえた」とか、肯定的な感覚に包まれる時間です。不安になりがちな妊婦にとって、1対1の信頼関係のもと断片的ではなく継続的なおつきあいができるような、身を委ねる場がある世の中になったら、結構、素敵な社会だなと思うのです。
マザーズオフィス・マタニティスクールでは、今年の春から第2段として「マタニティタッチクラス」を開講します。このクラスでは、妊婦自身を自然療法家がタッチするだけではなく、ご主人やパートナーに「マタニティタッチ」を指導する方法を教育するクラスでもあります。
ご主人が妊婦とともに自然療法家のサロンを訪れ、タッチの技術を身につけて、家庭で妊婦をケアしていく。このような輪が広がると、日本の妊娠、出産を取り巻く環境も少しは変わって来るのではないかと期待が湧きます。
母親は身体で赤ちゃんを「感じ」ますが、父親は頭で「理解」「想像」するしかない生き物です。今までは良い父親になれ!とか、義務だ!とかの合唱でしかなったのが、具体的な「タッチ」というツールを持つことで、一歩、妻にそして赤ちゃんに素直な形で近付くことができるのではないでしょうか。
戦う方法ではなく歩み寄る方法を考えたいものです。
母親の母性はもともとあるものではなく、経験によって育まれるものということは、気付かれてきていますが、妊娠中、多少なりとも身体で感じることができます。ところが父親は妊娠中は母性(親性というコトバも最近はありますが)が育まれる機会は全くありません。
が、「マタニティタッチ」という身体に触れる技術を通じて、感覚として父親になること、妊娠と出産、育児に参加する最初の一歩になるのではないかと思うのです。自然療法家のサロンが、親育て、夫育て、父親育ての場にもなる可能性も広がります。
どうでしょう?ね。
NPOなど子育て支援のネットワークが広がりつつある昨今、様々な形で、妊婦の身体の自然を育む自然療法家が社会に広がったら、少しは今の閉塞感のある社会も変わるのではないか。そんなことを想像しています。
自然療法家として妊婦をケアする存在。それはこれからの日本で生命を育むために、とても大切な人材なのではないかと想像するのです。
むふ〜(鼻息)
ということで、マザーズオフィスのマタニティスクールが微力ながらそんなことの一助になれば良いなと思っています。
説明会も開催です。お待ちしてまっす!
http://www.aroma.gr.jp/school/
http://www.aroma.gr.jp/maternity/